今回は福岡県北九州市八幡西区友田でペットサロン・モデル犬事業を開始されたわんスタイル代表の田代美貴様と顧問の荒木まなぶさんよりお話をお伺いしました。
モデル犬事業についての詳しいご説明に加え、共生・より良い生活の為にどの様に犬と接するべきなどかなど為になる時間になりました。
わんスタイルオープンにあたって
質問者
わんスタイルさんはオープンされたのはいつ頃ですか?
田代様
昨年(2015年)の11月にプレオープンして12月から始動しました。
質問者
わんスタイルさんのオープンにあたってはかねてからの夢などがあったのですか?
田代様
元々は顧問が都内でモデル犬を扱っていてノウハウがあるんですが、東京はテレビや雑誌への出演などがたくさんあるので事業として成功したんですね。それに対して北九州ではそういった事業にあう媒体が少ないので、成功されている事業者さんも系統が違います。
犬吉猫吉さんの様に自分のわんちゃんや猫ちゃんが少しでもテレビに出演出来たら嬉しい喜びがあるんです。なので、きっかけとして「海猿」などでの実績のある北九州フィルムコミッションさんと連携させていただいて、わんちゃんをエキストラからでもという形で始めていけたらと考えています。
モデル犬をすることで飼い主さんとわんちゃんとの関係がよくなったり、マナー向上を目指しています。
トリミングやペットホテルなどのペットサロンとしての通常営業とモデル犬が主な事業ですね。
オープン後の感触など
質問者
オープンしてからの皆さんの反応はいかがですか?
田代様
北九州ではまだ馴染みのない仕事なので「モデル犬って何?」「どんな感じなんだろう」といった感じがあるようです。
質問者
確かに私もモデル犬と聞いても具体的なイメージが自分もまだまだ掴めていない感があります。「モデル犬」をご存知ではない方も多くいらっしゃるかと思いますのでわんスタイルさんのモデル犬の事業についてご説明いただけますか?
田代様
モデル犬といっても色々なスタイルがあるんですね。自社・自店舗所属のわんちゃんをプッシュしていくスタイルもあるんですが、わんスタイルでは皆さんのご家族のわんちゃんを登録していただいています。わんスタイルでは様々な犬種をご登録させていただていまして、わんちゃんの出来ることや性格によっても、ランクを付けさせていただいています。
わんちゃんと一言で言っても、お利口な子だったり、やんちゃな子だったり性格も様々ですよね。犬種だけではなくて様々なタイプのわんちゃんの登録をお願いしています。そうしていく事でいろいろなオファーがあった際に対応していけるんです。
質問者
そういったわんちゃんの素養や性格などを判断するノウハウなどはやはり荒木さんがお持ちでいらっしゃったんですか?
荒木様
僕の経験というのは、東京でわんちゃんにこだわってやってきたんですね。当時は100頭程居たんだけども、その中のわんちゃんに活躍してもらっていました。
最初は一般にレンタルしていたんです。例えば高齢者で「犬を飼いたい」けど、体力が無いので飼えないなどで断念されている方が沢山いますね。それで皆さんに喜んでいただける様にとレンタルを開始したんですね。それが14年ほど前の話になります。そうして事業を進めていくとドッグモデルプロダクションと間違えられてオファーがあったりしたんですけど、対応出来ることだったので、スチールや雑誌・テレビなどでどんどん露出が増えていったんです。そうするとそちらの方の仕事が増えていったんですよ。
そうして専門のスタッフを雇って事業を展開していたんですけど、北九州に戻ってくるきっかけがあったんですね。
戻ってきて代表の田代と話をしている中で、北九州にも九州にもこういう仕事って無いよねって話になって、じゃあ北九州にあったスタイルとしてどういうものがあるだろうかと考えたんです。
まずこちらは「テレビ局が少ない」「番組制作会社が少ない」など、モデル犬事業としてのハードルがある中で、北九州フィルムコミッションさんはどうだろうと考えたところ、田代の方で知っている方が居るということもあり、チャレンジしてみるのも面白いんではないかというのがきっかけで、そこからオープンへと進んでいきました。
質問者
なるほど。構想が生まれてからオープンまではどのくらいの期間を要したんですか?
田代様
大体1ヶ月間ほどです。元々あった店舗をリフォームしたのでそれも入れると約2ヶ月間です。自分たちが出来ることはDIYで内装の塗装・床を張り替えるなどして作り上げました。トリミング前にわんちゃんがリラックス出来るプレイコーナーを設けたりもしました。
モデル犬事業について
田代様
モデル犬についてなんですが、お断りをさせていただく場合もあるんです。人が苦手なわんちゃんや他のわんちゃんと一緒に居るのが苦手なわんちゃんはどうしてもわんちゃん自身にストレスが溜まってしまいます。「可愛いね」「いい顔ね!」って言われて喜ぶわんちゃん、撮影を楽しめるわんちゃんがモデル犬登録の要件ですね。
質問者
それは人の目線や都合ではなくて、それぞれのわんちゃん固有の性格などを尊重しているということですか?
田代様
そうですね。わんちゃんにストレスや負担がかからないのが第一です。人に写真を撮られたり触られたりするのが苦手なわんちゃんに嫌な思いをして頑張ってもらうのは違うと思うんです。飼い主の方もわんちゃんも撮影を楽しんでもらえる方を対象にするのがとても大事です。
登録させていただいたわんちゃんはランク分けをさせていただいています。出来ること出来ないことを把握して5段階。例えば、離れたところから「待て」の指示を理解して対応することが出来る、マーク・印がある場所で止まることが出来るなど基準があります。
普段、おうちで飼い主さんに指示されたことをできるわんちゃんは多いですが、いざ現場で負担と違う状況の中で離れた場所からのトレーナーさんの指示に対応出来る子はかなり少なくなります。
わんスタイルではしつけ教室も開始する予定なんですけど、プロ用のしつけと日常でのしつけを考えています。
ただ、どんな指示にも対応出来る子が一番良いということではないんです。指示にうまく対応出来ないけれども可愛いハートがあって愛嬌がある子も魅力があって、そういった子をというオファーもあります。そういった子がトレーナーの指導で変わっていくもたくさんあります。
ちなみに現在は101匹プロジェクトということで、101匹まで無料で登録させていただいています。
現在の取り組みについてなど
質問者
事業の内容をお聞きするとSNSなどの活用等のユーザー参加型のサービスの活用などもされているのかなと感じたのですがいかがですか?
田代様
そうですね。既存のWebサイトの更新に加えて、当店の2階のスタジオで撮影していただいたモデル犬のわんちゃんの写真などを掲載出来るページを1ページずつ持っていただく別サイトの準備を進めています。※1 そうしてオファーをされるテレビ局などのクライアントさんに多く見ていただける様にしていきます。登録された皆さんが可愛く見える様に楽しく競っていただければと考えています。そちらでは動画も掲載出来るようにしようと思ってます。
※1 近日中に(http://www7b.biglobe.ne.jp/~onestyle/)にて公開予定。
先ずは「写真」「動画」「コメント」を公開出来るようにするところからですけれども、特技だったり変わったことが出来るわんちゃんを紹介したりなど飼い主の皆さんのご要望にも対応していきたいです。
荒木様
楽しく参加していただいてわんちゃんをご紹介するのに併せて、現在進めている101匹プロジェクトや実績を一緒に紹介したりといった感じですね。
質問者
東京や大阪などの大都市と北九州ではわんちゃんに対しての接し方も違う部分があるのかなと思うのですがいかがですか?
荒木様
最近ではこちらでも当たり前になっている高級なペットホテルなども東京などではかなり以前(6・7年前)に流行っていましたね。今では勿論状況は変わっていますよね。印象として強いのは、犬吉猫吉などを見て来られる方とお話をしていると、東京以上にわんちゃんへの愛情を持っているなと感じることですね。
今後の取り組み
田代様
わんスタイルとしても私自身もわんちゃんとの生活がより良くなるために啓蒙活動に力を入れていきたいという気持ちがあります。例えば、啓蒙活動が行き届いてマナーがより向上していけば、社会の多くの方に理解が広ってわんちゃんと一緒に入れるお店も増えていくと思います。例えば、犬が苦手な方にも安心していただけるって大事だと思います。
散歩中に通行中の方に吠えてしまうわんちゃんがそうではなくなる様に、しつけについての理解や取り組みは進めていくべきだなと。
質問者
「しつけ」という言葉には人によって様々な捉え方があると思うのですが、どの様に考えていらっしゃいますか?
田代様
意味合いとして捉えていただきたいなというのが私の思いとお願いなんですね。人間の価値観を犬に押し付けるのではなくて、犬と良い関係を築くためですね。犬はボスに従うという習性があって、ボスが居てボスに従っているのが心地良いんですね。飼い主さんがわんちゃんに指示を出してそれにわんちゃんが従うのは自己満足などではなくて、わんちゃんにとっても満足感や愛情を感じる行為なんですね。
わんちゃんの理解ではピラミッド状の関係性があって、お家の中のお父さんが一番上、そしてお母さん、自分(わんちゃん)、子供という形になっていることが多いんです。だから子供には噛んでしまう・吠えてしまうというケースがあります。
なので、わんちゃんを一番下に持ってきてあげることによって、家族が上手くいくんですね。群れとしての一番下ということで一番下だから悪い・良くないという事ではなくて、わんちゃんの中での順位付け・ポジションを正しく理解するってことです。
それは簡単なことで、お子さんがお腹の上にわんちゃんを乗せて遊んだりというシーンがあるんですが、その行為はわんちゃんからするとわんちゃんのことを上に見ていますという理解になるんですね。他にもベッドで寝ているところにわんちゃんが上にぴょんと飛び乗って上に乗る様なこともありますが、それは関係が出来上がっていれば問題が無いのですが、そうではない場合にお子さんの寝ている上にわんちゃんが寝ているという状態はわんちゃんがお子さんを下に見ていることになります。
それを解消するには、座ってわんちゃんをお腹を見せて膝に乗せてするだけでも、わんちゃんの理解が変わります。そういったことが「しつけ」だと考えているんですね。こちらの思い通りにさせるという意味ではないです。
質問者
なるほど。そういったことを理解出来るとやはりしつけという言葉が適切なのかもしれないですね。
田代様
そうですね。正しく多くの方に伝わっていけるように努力し続けたいですね。
荒木様
田代の場合は、それまで別業界にいたという事で私から見て逆に新鮮な目線を持っているな、また、女性目線での気配りや考え方があるなと感じますね。それは間違っていないと思うので、気負わず飼い主の方の気持ちを汲み取って、「より良い生活をクリエイトする」「共生する」ということを北九州に広めてもらいたいと応援しています。
田代様
そして、わんちゃんに興味のない方にも機会があれば撮影現場を見ていただけたらと思います。わんちゃんがすごく楽しそうにしている現場を知っていただけたらと。飼い主さんがわんちゃんをどれだけ大事に思っているかを感じることが出来る場所でもありますから。
質問者
私も子供の頃から犬と接することが多かったのですが、知らないことやこうすべきなのだなと改めて考えてみようと思います。今回は快くご協力いただいてありがとうございました。
田代様 荒木様
こちらこそありがとうございました。
わんスタイル様店舗情報
- 所在地
- 福岡県北九州市八幡西区友田1-2-34
- 営業時間
- 10:00~19:00
- TEL:
- 093-883-9723
- 定休日
- 木曜日
- URL:
- http://www001.upp.so-net.ne.jp/onestyle